シルバーアクセサリーの魅力を長く保つためには、正しいお手入れが欠かせません。
シルバーは硫黄分に反応して硫化して表面が黒ずむことがありますが、この変色は重曹とアルミホイル、そして熱湯を使った洗浄方法で取り除くことが可能です。
ただし、やり方が間違っていたりアクセサリーにシルバー以外の素材が使われていた場合、この方法では汚れが落ちずに洗浄に失敗してしまうこともあります。
本文では、このような洗浄に失敗するケースについて詳しく解説するとともに、正しいやり方についてもわかりやすくまとめてみました。
シルバーの汚れを重曹で落とそうと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
シルバーのお手入れに重曹を使って失敗するケースとは?
シルバーアクセサリーを長く愛用していると、時々サビのように見える黒い汚れに気付くことがあります。
これは「硫化」と呼ばれる現象で、銀の表面に硫黄分が付着し黒く変色するものです。
この汚れは以下のような方法で対処可能ですが、重曹を使ったお手入れには落とし穴があるので注意が必要です!
通常、硫化による変色はアルミホイルを敷いた耐熱容器にアクセサリーと重曹を入れ、熱湯を注ぐことで取り除くことができます。
しかし、この方法には注意が必要で、適切な手順を踏まないとアクセサリーを傷める可能性があるのです。
このお手入れ方法で失敗する場合の主な原因は…
硫化以外の汚れ:全ての黒い汚れが硫化によるものではないため、重曹の使用が適切でない場合もある。
素材の不適合: アクセサリーに含まれる他の素材が重曹のアルカリ性や熱湯によって傷んでしまう。
というの3つのパターンが考えられます!
これらのパターンについては後述しますが、まず理解していただきたいのは、シルバーアクセサリーのお手入れは素材の種類や汚れの原因を正しく判断することが大切だということです。
重曹を使用する前に、そのアクセサリーが耐熱性を持ち、アルカリに強い素材でできているかを確認しましょう。
また、不安な場合はプロのクリーニングサービスに相談するのも一つの方法ですので、そういった方法も視野に入れておいた方が気持ちが楽になりますよ^^
重曹を使ったシルバーのお手入れの失敗をさらに詳しく解説!
ここからは、先程挙げた3つの失敗パターンについてさらに詳しく解説していきますね!
洗浄方法が間違っているパターン
せっかく汚れの原因と対処法があっていてもそのやり方が正しくないと効果を期待できません。
ちょっとしたことが失敗の原因になるので、ここでしっかり理解しておきましょう!
アルミホイルを忘れた
アルミホイルはこの洗浄法において必要不可欠です。
この洗浄方法は、硫化銀の還元反応により銀の表面の硫黄がアルミに移行するため、アルミホイルを敷き忘れると硫黄の行き先がなくなるため汚れが落ちないのです。
うっかりアルミホイルを敷き忘れた場合は、アルミホイルを敷いて同じ手順で洗浄を繰り返してみましょう。
ラップやクッキングシートは代用できないので、必ずアルミホイルを使うようにしましょう!
金属の容器を使ってしまった
シルバーアクセサリーを洗浄する際には耐熱容器を使用しますが、「金属製の容器」は避けるべきです。
金属容器を使用するとシルバーについていた硫黄が容器に移行してしまい、容器自体が黒く変色することがあるからです。
この失敗を防ぐためにも、プラスチックやガラスなどの金属以外の素材で作られた耐熱容器を選び、その容器の耐熱温度も確認することが大切です。
特にアルミ、銅、真鍮などの容器は、重曹のアルカリ性や熱湯の影響で変色や変質を起こすリスクがあるので使わないようにしましょう!
重曹を使ったやり方が汚れに合っていない
黒ずみの原因が銀メッキ剥がれ
もし上記の方法で汚れが落ちない場合、もしかしたらそのアクセサリーは純銀ではなく銀メッキ製である可能性があります。
メッキが剥がれた部分が黒い汚れのように見えますが、当然ながら重曹と熱湯では修復できません。
純銀のアクセサリーは通常、「SILVER」「Silver925」「SV925」「925」といった刻印がありますので、これらのマークを確認してみましょう。
メッキが剥がれてしまった場合の対処法は、専門のジュエリーショップで修理を依頼するか、自宅でメッキ加工キットを使用する方法になります。
ですが、メッキの修復するのには一定の技術が必要であり、自分で行う場合は仕上がりに保証がないため、どちらかと言うと専門店に相談することをおすすめします。
硫化以外の汚れが原因
シルバーアクセサリーに付着する汚れが硫化のものではなく、皮脂や塩素系漂白剤などが原因である場合、重曹の洗浄法では効果が期待できません。
特に「塩化した汚れ」は、シルバー専用のクリーナーであっても落とすのが困難です。
一般的な皮脂汚れなどは以下のようなシルバー用のクリーナーで落とせますが、塩化による汚れが疑われる場合は、ジュエリーショップでの専門的なクリーニングを受けることが最も安全で確実と言えるでしょう。
このように、シルバーアクセサリーの汚れが重曹で落ちない場合は、その原因を正しく特定し、適切な方法で対処することが大切です。
重曹とアルミホイルを用いた方法は効果的な洗浄方法ですが、すべての汚れに対応しているわけではないため、場合によっては専門店の対応が求められることを覚えておきましょう!
アクセサリーの素材と合っていない
アクセサリーのお手入れには様々な方法がありますが、間違った洗浄方法を選ぶとアクセサリーを傷める原因となることがあります。
特に重曹と熱湯を使用した洗浄は、一部のアクセサリーには適さないので注意が必要です!
いぶし銀が取れてしまう
いぶし銀加工されたアクセサリーを重曹+アルミホイル+熱湯で洗浄すると、せっかくのいぶし銀加工が落ちてしまいます。
これは、いぶし加工が銀の硫化を利用しているため、硫化銀の還元反応を引き起こす洗浄方法によっていぶし銀加工が落ちてしまうからです。
銀以外のパーツや宝石にダメージ
重曹と熱湯の洗浄方法は特定の素材や宝石には不向きで、そういった素材にこの方法を使用すると変色やダメージを与える可能性があります。
以下の表に、特に注意が必要な素材や宝石をまとめておくので、ぜひ参考にしてみてください!
アルカリに弱い素材 | アルミ、銅、真鍮、大理石、御影石 |
熱に弱い宝石 | 真珠、象牙、琥珀、べっ甲、サンゴ、エメラルド、ターコイズ、メノウ、ルビー、サファイア、オパール |
水分に弱い宝石 | ターコイズ |
いぶし銀が剥がれてしまったり、アクセサリーの素材や宝石が取れてしまった場合、自分で対処するのは難しくなります。
こういった場合は、そのアクセサリーを買ったショップや修理を専門としているお店に相談して、プロの技術で修復してもらうようにしましょう!
重曹を使ったシルバーのお手入れ方法をおさらい!
最後に、重曹+アルミホイル+熱湯を使った洗浄方法のやり方についておさらいしておきましょう!
すでに知っている内容だとは思いますが、細かいところまで分解して説明しているので、きっと役立つと思います^^
準備するもの
やり方
耐熱容器の底にアルミホイルを敷きます。アルミホイルは光沢のある面を上にして敷くと良いでしょう。このアルミホイルが重要な役割を果たします。
工程2: アクセサリーの配置
シルバーアクセサリーをアルミホイルの上に置きます。ここで、シルバーアクセサリーがアルミホイルに直接触れていることを確認してください。
工程3: 重曹を振りかける
シルバーアクセサリーの上に重曹をたっぷりと振りかけます。全体に均等に重曹が行き渡るようにすることがポイントです。
工程4: 熱湯を注ぐ
沸騰したばかりの熱湯をゆっくりと容器に注ぎましょう。熱湯がアクセサリーと重曹を覆うくらいまで入れると化学反応が始まりますよ!
工程5: 反応時間の待ち
シルバーアクセサリーを約5分から10分間そのままにしておきます。この時間が経過すると、硫化銀がアルミホイルに移動し、シルバーアクセサリーがキレイな状態になっていきます。
工程6: すすぎと乾燥
反応が終わったらアクセサリーを取り出し、清潔な水でよくすすぎましょう。その後、柔らかい布やタオルで優しく拭いて乾かせばお手入れ完了です!
この手順で洗浄を行えば、シルバーアクセサリーの輝きを安全かつ効果的に取り戻すことができるはずです♪
繰り返しになりますが、この方法は純銀製のアクセサリーにのみ適用可能です。銀メッキ製品や繊細な宝石が付いているアクセサリーには適さないため、使用前には素材を確認してくださいね!
まとめ
シルバーアクセサリーの適切なお手入れは、その美しさを長持ちさせる鍵です。
重曹とアルミホイル、熱湯を使用した洗浄方法は、銀の硫化による黒ずみを効果的に除去しますが、この方法は純銀製のアクセサリーにのみ適していることをお忘れなく。
もし洗浄に失敗してお気に入りのシルバーアクセサリーにダメージを与えてしまった場合は、それ以上自分で対処しようとせず、専門店に相談して修復してもらうようにしましょう!
シルバーのみで作られたアクセサリーの洗浄には、今回の洗浄方法を試してみてくださいね^^